お寺年始のし袋の正しい選び方|御年賀・御布施・御供を迷わず使い分ける作法

お寺へ年始の挨拶に行くとき、のし袋は紅白でよいのか、白無地封筒にするべきか、表書きは「御年賀」「御布施」「御供」のどれが自然なのか迷いやすいものです。

結論から言うと、年始の挨拶として渡すなら「御年賀」、ご本尊やご先祖へのお供えの意味なら「御供」、読経やお勤めがあるなら「御布施」が基本です。

ただし、お寺や地域によって慣習が異なるため、絶対に全国共通の一つだけが正解というわけではありません。

迷った場合は、白無地封筒に「御供」または「御布施」と書くと、落ち着いた印象になりやすいです。

この記事では、お寺年始のし袋の種類、表書き、水引、名前の書き方、金額の目安、渡すタイミングまで分かりやすく整理します。

お寺年始のし袋の基本

お寺へ年始に渡すのし袋は、何のために渡すのかで選び方が変わります。

新年の挨拶なのか、仏さまへのお供えなのか、読経へのお布施なのかを先に決めると、表書きも水引も迷いにくくなります。

年始挨拶の「御年賀」

お正月の挨拶としてお寺へ伺う場合は、「御年賀」と書くのが自然です。

年始にお世話になっているお寺へ挨拶をする意味で、現金や菓子折りを持参するときに使いやすい表書きです。

紅白の蝶結びののし袋を使う地域やお寺もあります。

ただし、お寺へ現金を渡すときに紅白の袋へ抵抗がある家庭もあります。

その場合は、白無地封筒に「御年賀」と書いても落ち着いた印象になります。

大切なのは、正月の挨拶として渡していることが分かるようにすることです。

お供えの「御供」

ご本尊やご先祖さまへお供えする気持ちで持参する場合は、「御供」が使いやすい表書きです。

菓子折り、果物、茶葉、乾物などの品物にも使いやすく、現金を包む場合にも使われます。

「御年賀」は住職やお寺への年始挨拶の印象が強く、「御供」は仏さまへ納める意味が強くなります。

どちらにするか迷ったときは、誰に向けたものかを考えると選びやすくなります。

住職への新年挨拶なら「御年賀」、仏さまへのお供えなら「御供」です。

読経やお勤めの「御布施」

住職に読経やお勤めをしていただく場合は、「御布施」が基本です。

正月であっても、自宅で仏壇の前にお経をあげてもらう場合や、お寺の年始法要へ参加する場合は「御布施」と書くと自然です。

お布施は読経の料金という意味ではなく、仏さまやお寺への感謝の気持ちとして納めるものです。

そのため、「読経料」「お経代」のような書き方は避けましょう。

読経や法要があるかどうかが、「御年賀」と「御布施」を分ける大きな判断材料になります。

謝意を表す「御礼」

住職が年始回りで自宅へ来てくれる場合、「御礼」とする地域もあります。

ただし、仏壇前で読経があるなら「御布施」のほうが無難です。

挨拶だけ、暦やお札を届けるだけ、短時間の訪問だけという場合に「御礼」が使われることがあります。

迷った場合は、家の前年の慣習や地域の檀家の例に合わせるのが安心です。

渡す目的 表書き のし袋の考え方
年始の挨拶 御年賀 紅白蝶結びまたは白無地封筒
ご本尊やご先祖へのお供え 御供 白無地封筒または落ち着いたのし袋
読経やお勤め 御布施 白無地封筒が無難
年始回りへの謝意 御礼 白無地封筒が使いやすい
菓子折りの持参 御年賀、御供 品物用ののし紙や短冊のし
迷う場合 御供、御布施 白無地封筒で整える

「御年賀」と「御布施」の違い

お寺年始のし袋で最も迷いやすいのが、「御年賀」と「御布施」の使い分けです。

どちらもお寺へ渡す場面で使われますが、意味が違うため、渡す場面を分けて考える必要があります。

新年の挨拶としての御年賀

「御年賀」は、新年の挨拶として渡す金品に使う表書きです。

檀家として年始にお寺へ挨拶へ行く場合や、菓子折りを持参する場合に使いやすい言葉です。

読経や法要をお願いしているわけではなく、日頃の感謝と新年の挨拶を伝える意味が中心になります。

そのため、住職へ「本年もよろしくお願いいたします」と挨拶をする場面では、「御年賀」が自然です。

ただし、お寺によっては現金より品物に「御年賀」を使うことが多い場合もあります。

仏事の感謝としての御布施

「御布施」は、読経、法要、月参り、年忌法要など、仏事に対する感謝として使われる表書きです。

正月であっても、住職が仏壇前でお勤めをしてくれる場合は「御布施」が合います。

年始挨拶だけなのに「御布施」と書いても大きな失礼とは限りませんが、意味としては読経や供養の印象が強くなります。

そのため、挨拶だけなら「御年賀」や「御供」、読経があるなら「御布施」と分けると分かりやすいです。

現金と品物での使い分け

現金を包む場合は、「御年賀」「御供」「御布施」のどれも候補になります。

ただし、目的によって選び方が変わります。

品物を持参する場合は、「御年賀」または「御供」が使いやすいです。

現金と菓子折りを両方持参する場合は、現金を「御布施」または「御供」、菓子折りを「御年賀」または「御供」と分けると自然です。

家の慣習を優先する判断

お寺との付き合いは、地域や家の慣習が強く出ます。

親や祖父母の代から「御年賀」と書いてきたなら、そのまま続けるのが自然です。

地域では「御供」が一般的な場合もあります。

一般的な作法だけで決めるより、家の前年の封筒、親族の記憶、近所の檀家の例を確認できるなら、それを優先しましょう。

のし袋の種類と水引

お寺年始のし袋は、表書きだけでなく、水引の色や封筒の種類でも迷いやすいものです。

年始挨拶か仏事かによって、紅白を使うか白無地にするかが変わります。

紅白蝶結びののし袋

年始の挨拶として「御年賀」を渡す場合は、紅白の蝶結びののし袋を使うことがあります。

お正月は祝いの時期であり、年始の挨拶としての意味があるためです。

紅白蝶結びは、何度あってもよいお祝い事に使われる形です。

ただし、お寺へ現金を持参する場面で紅白を使うかどうかは、地域やお寺によって感覚が分かれます。

気になる場合は、紅白ではなく白無地封筒を選ぶと無難です。

白無地封筒

迷ったときに最も使いやすいのが白無地封筒です。

「御布施」「御供」「御礼」などを書いても落ち着いた印象になります。

水引がないため、年始挨拶にも仏事にも強すぎる印象を与えにくいのがメリットです。

郵便番号欄が印刷された封筒は避け、無地の白封筒を選びましょう。

市販の「御布施」と印刷された封筒を使っても問題ありません。

黒白や双銀の不祝儀袋

正月の年始挨拶だけであれば、黒白や双銀の不祝儀袋は避けたほうがよい場合があります。

黒白や双銀は葬儀や法事の印象が強く、正月の挨拶には重く見えることがあります。

ただし、正月時期に年忌法要や命日法要を行う場合は、通常の法要として考えます。

年始挨拶なのか、法要なのかを分けて判断しましょう。

黄白水引

関西や一部地域では、仏事に黄白の水引を使うことがあります。

地域の慣習として黄白が一般的なら、それに合わせるとよいでしょう。

ただし、年始挨拶として「御年賀」を渡す場面では、黄白より紅白や白無地のほうが自然に感じられることもあります。

自分の地域の慣習が分からない場合は、白無地封筒が安全です。

袋の種類 向いている場面 注意点
紅白蝶結び 年始挨拶、御年賀 地域により感覚差あり
白無地封筒 御布施、御供、御礼 迷ったときに使いやすい
御布施封筒 読経やお勤め 年始挨拶だけなら目的を確認
黒白水引 葬儀や法事 年始挨拶だけでは重く見えやすい
双銀水引 法事や弔事 正月の挨拶には不向きな場合
黄白水引 一部地域の仏事 地域慣習を確認

表書きの書き方

のし袋を用意したら、表書きと名前を丁寧に書きます。

お寺へ渡すものなので、豪華にする必要はありませんが、読みやすく整えることが大切です。

上段の書き方

のし袋の上段中央に、「御年賀」「御供」「御布施」「御礼」のいずれかを書きます。

年始の挨拶なら「御年賀」、ご本尊やご先祖へのお供えなら「御供」、読経やお勤めなら「御布施」と考えると整理しやすいです。

文字は濃い墨で書きます。

正月の挨拶やお布施では、薄墨は使いません。

薄墨は葬儀などの弔事を連想させるため、年始には不向きです。

下段の名前

下段中央には、氏名または家名を書きます。

檀家として家単位でお寺へ納める場合は、「山田家」のように家名を書くことがあります。

個人で渡す場合や、お寺側に誰からか分かりやすくしたい場合は、フルネームでも構いません。

表に家名だけを書く場合は、裏面や中袋に代表者の氏名と住所を書いておくと丁寧です。

筆ペンとボールペン

表書きは、毛筆または筆ペンで書くのが丁寧です。

筆ペンが苦手でも、ゆっくり読みやすく書けば問題ありません。

ボールペンは事務的に見えやすいため、できれば避けたほうがよいでしょう。

どうしても筆ペンがない場合は、黒のサインペンなどで丁寧に書く方法もありますが、改まった場面では筆ペンを用意するのがおすすめです。

印刷済み封筒

市販の印刷済み封筒を使っても問題ありません。

「御布施」と印刷された封筒なら、下段に名前を書きます。

「御年賀」や「御供」の短冊が付いたのし袋も使えます。

印刷済みでも、名前を丁寧に書くことが大切です。

裏面と中袋の書き方

現金を包む場合は、裏面や中袋の書き方も整えておくと親切です。

お寺には多くの檀家や参拝者がいるため、誰からいくら納められたか分かるようにしておくと管理しやすくなります。

中袋がある場合

中袋があるのし袋では、中袋の表に金額を書きます。

裏には住所と氏名を書きます。

金額は「金参千円」「金伍千円」「金壱万円」のように書くと丁寧です。

大字を使うと改ざん防止の意味があります。

ただし、年始挨拶の少額であれば、通常の漢数字で「金三千円」「金五千円」と書いても大きな問題にはなりにくいです。

中袋がない場合

中袋がない白無地封筒では、封筒の裏面左下に住所、氏名、金額を書くと丁寧です。

表に家名だけを書いた場合は、裏面に代表者のフルネームを書いておくと分かりやすいです。

金額を必ず書かなければならないわけではありませんが、お寺側で確認しやすくなるため、現金を包む場合は書いておくと親切です。

金額を書くか迷う場合

金額を書くことに抵抗がある人もいます。

しかし、お寺では会計処理や記録が必要なことがあります。

特に檀家が多いお寺では、誰からいくら納められたかを確認する場面があります。

現金を包む場合は、金額、氏名、住所を記入しておくと、受け取る側にとっても分かりやすくなります。

包む金額 丁寧な書き方 通常の書き方
1,000円 金壱千円 金一千円
2,000円 金弐千円 金二千円
3,000円 金参千円 金三千円
5,000円 金伍千円 金五千円
10,000円 金壱万円 金一万円

お札の入れ方

のし袋に現金を入れるときは、お札の状態や向きにも気を配ると丁寧です。

年始の挨拶では、清潔感のあるお札を用意しましょう。

新札ときれいなお札

お正月の年始挨拶では、きれいなお札を使って問題ありません。

葬儀の香典のように新札を避ける感覚とは違います。

ただし、読経やお布施として渡す場合でも、汚れや破れが目立つお札は避けましょう。

新札が用意できなければ、折れや汚れの少ないお札を選べば十分です。

お札の向き

封筒の表面を開いたときに、お札の肖像が見える向きにそろえると丁寧です。

複数枚入れる場合は、向きをそろえます。

年始の挨拶として渡す場合は、祝い事に近い扱いとして、きれいに整えて入れるとよいでしょう。

厳密すぎる必要はありませんが、雑に入れないことが大切です。

封をするかどうか

少額の年始挨拶では、封をしない場合もあります。

ただし、持ち歩き中に中身が出ないよう、軽くのり付けしても問題ありません。

受付で金額を確認する慣習があるお寺では、封をしないほうが扱いやすい場合もあります。

迷う場合は、封を完全に貼り付けず、軽く閉じる程度にしておくとよいでしょう。

金額の目安

お寺年始のし袋に包む金額は、目的や地域によって変わります。

ここでは、一般的に考えやすい目安を整理します。

年始挨拶だけの金額

お寺へ年始の挨拶に伺うだけなら、3,000円から5,000円前後が一つの目安です。

地域によっては、1,000円から2,000円程度の慣習もあります。

毎年続けるものなので、無理のない金額にすることが大切です。

表書きは「御年賀」または「御供」が使いやすいです。

年始回りの金額

住職が年始回りで自宅へ来る場合は、内容によって考えます。

挨拶だけなら2,000円から5,000円前後、仏壇前で読経がある場合は5,000円から1万円前後を目安にする家庭があります。

挨拶だけなら「御礼」「御年賀」、読経があるなら「御布施」が自然です。

地域の慣習がある場合は、それに合わせましょう。

年始法要の金額

お寺の正月行事や年始法要に参加する場合は、お寺から案内があればそれに従います。

案内がない場合は、3,000円から1万円前後が目安になります。

表書きは「御布施」または「御供」が使いやすいです。

個別の祈祷や特別な申し込みがある場合は、その内容に合わせて「御祈祷料」「御祈願料」などが案内される場合もあります。

場面 金額の目安 表書き
一般参拝 任意 不要または賽銭
檀家の年始挨拶 3,000円〜5,000円 御年賀、御供
菓子折り持参 2,000円〜5,000円程度の品 御年賀、御供
年始回りの挨拶 2,000円〜5,000円 御礼、御年賀
自宅で読経 5,000円〜1万円 御布施
年始法要 3,000円〜1万円 御布施、御供

品物を持参する場合ののし

お寺への年始挨拶では、現金ではなく品物を持って行く家庭もあります。

品物の場合も、のし紙や短冊のしの表書きを整えると丁寧です。

菓子折り

菓子折りを持参する場合は、「御年賀」または「御供」とします。

年始の挨拶として渡すなら「御年賀」が自然です。

ご本尊へのお供えとして持参するなら「御供」が向いています。

個包装で日持ちするお菓子を選ぶと、お寺側でも扱いやすくなります。

生菓子や保存が難しいものは、相手の負担になる場合があるため注意しましょう。

果物や茶葉

果物、茶葉、乾物などを持参する場合も、「御供」が使いやすいです。

仏さまへのお供えとしての意味が伝わりやすくなります。

果物は傷みやすいものを避け、扱いやすいものを選ぶと安心です。

品物を贈る場合も、豪華さより日持ちと扱いやすさを重視しましょう。

現金と品物の両方

現金と品物を両方用意する場合は、表書きを分けると分かりやすくなります。

現金は「御布施」または「御供」、品物は「御年賀」または「御供」とします。

読経がある場合は、現金を「御布施」とし、菓子折りを「御年賀」または「御供」にする形が自然です。

ただし、両方を必ず用意しなければならない決まりはありません。

毎年続けられる範囲で準備することが大切です。

喪中の年始挨拶とのし袋

喪中の場合、お寺への年始挨拶やのし袋をどうするか迷う人もいます。

一般的な正月祝いとは違い、お寺への挨拶はご先祖や仏さまへの感謝の意味もあるため、地域や家の慣習を確認しましょう。

喪中の御年賀

喪中の場合は、「御年賀」という表書きを避ける家庭もあります。

お祝いの印象が強いと感じるためです。

その場合は、「御供」「御挨拶」「御布施」などにすることがあります。

お寺へ年始の挨拶へ行くこと自体は、地域や家の考え方によって異なります。

不安がある場合は、お寺へ事前に確認すると安心です。

白無地封筒の安心感

喪中で表書きや水引に迷う場合は、白無地封筒を使うと落ち着いた印象になります。

紅白ののし袋を避けたい場合にも向いています。

表書きは、読経があるなら「御布施」、お供えなら「御供」、挨拶の意味なら「御挨拶」とする方法があります。

家族の慣習

喪中の対応は、地域や家によって違いが出やすい部分です。

同じお寺の檀家でも、家庭によって考え方が違うことがあります。

前年に不幸があった場合は、家族や親族に確認し、お寺へ相談するのが最も確実です。

迷ったまま準備するより、事前に一言聞いておくほうが安心できます。

宗派と地域の違い

お寺年始のし袋は、宗派だけでなく地域の慣習にも左右されます。

全国共通の正解を探すより、自分の家のお寺に合う形を選ぶことが大切です。

浄土真宗

浄土真宗では、お布施は僧侶への料金ではなく、ご本尊へのお供えや感謝として考えられます。

読経やお勤めがある場合は「御布施」が使いやすいです。

渡すときも、「ご本尊様にお供えください」と添えると自然です。

年始の挨拶や品物であれば、「御年賀」や「御供」も使われます。

曹洞宗や臨済宗

禅宗のお寺でも、年始挨拶なら「御年賀」や「御供」、読経があるなら「御布施」が使いやすいです。

お寺によって、包み袋の表書きを案内している場合があります。

その場合は、お寺の案内を優先しましょう。

地域の檀家で決まった形があるなら、それに合わせるのが自然です。

真言宗や日蓮宗

真言宗や日蓮宗でも、基本は目的で分けて考えます。

祈祷や祈願をお願いする場合は、「御祈祷料」「御祈願料」などの表書きを使う場合もあります。

通常の年始挨拶なら「御年賀」や「御供」、読経があるなら「御布施」が分かりやすいです。

地域慣習の優先

同じ宗派でも、地域によってのし袋の色や表書きが違うことがあります。

紅白を使う地域もあれば、白無地を好む地域もあります。

黄白水引を使う地域もあります。

お寺との付き合いが長い家なら、前年の封筒や親族の例に合わせるのが最も安心です。

渡すタイミングと渡し方

のし袋を準備したら、渡すタイミングと渡し方にも気を配りましょう。

年始の挨拶では、丁寧さと簡潔さのバランスが大切です。

お寺へ伺う場合

お寺へ年始の挨拶に行く場合は、寺務所や受付があればそこで渡します。

住職に直接挨拶できる場合は、新年の挨拶をしてから渡します。

混雑している場合は、無理に長く話そうとせず、短く丁寧に挨拶するのがよいでしょう。

封筒は相手から表書きが読める向きにして、両手で差し出します。

自宅へ住職が来る場合

住職が自宅へ年始回りに来る場合は、読経やお勤めの後に渡すのが自然です。

挨拶だけの場合は、帰り際に「本年もよろしくお願いいたします」と添えて渡します。

仏壇前で読経がある場合は、「本日はお勤めいただきありがとうございました」と伝えてから渡すと丁寧です。

お盆や袱紗の使い方

正式には、切手盆や袱紗に載せて渡すと丁寧です。

ただし、年始の挨拶で必ず用意しなければならないわけではありません。

自宅で住職へ渡す場合は、小さなお盆に載せると改まった印象になります。

お寺の受付で渡す場合は、封筒を両手で差し出すだけでも構いません。

渡すときの挨拶

のし袋を渡すときは、難しい言葉を使う必要はありません。

表書きに合う短い挨拶を添えると、気持ちが伝わりやすくなります。

年始挨拶の言葉

「明けましておめでとうございます。

旧年中はお世話になりました。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。」

年始挨拶として渡す場合は、この言葉で十分です。

のし袋を渡すときは、「些少ですが、お納めください」と添えると自然です。

お供えとしての言葉

「ご本尊様にお供えください。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。」

「御供」と書いた場合は、このように添えると意味が分かりやすくなります。

ご先祖さまへの感謝を込める場合にも使いやすい言い方です。

読経後の言葉

「本日はお勤めいただき、ありがとうございました。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。」

「御布施」と書いた場合は、読経やお勤めへの感謝を添えると丁寧です。

長い挨拶は不要です。

相手が忙しいときは、短く落ち着いて伝えましょう。

避けたいのし袋と表書き

お寺年始のし袋では、使うと違和感が出やすい表書きや袋があります。

大きな失礼にならないためにも、避けたいポイントを確認しておきましょう。

読経料やお経代

読経をしていただいた場合でも、「読経料」「お経代」と書くのは避けましょう。

お布施は料金ではなく、感謝やお供えの気持ちとして納めるものです。

分かりやすく書きたい気持ちはあっても、表書きは「御布施」が自然です。

派手すぎるのし袋

お寺へ渡すものに、派手な柄やカジュアルな封筒を使うのは避けたほうが無難です。

年始の「御年賀」なら紅白ののし袋を使う場合もありますが、金銀が目立ちすぎるものや華美すぎるものは控えめにしましょう。

落ち着いた紅白、または白無地封筒が使いやすいです。

薄墨の筆ペン

年始の挨拶やお布施には、薄墨を使いません。

薄墨は弔事の印象が強く、正月の挨拶には合いません。

筆ペンを使う場合は、濃墨タイプを選びましょう。

黒くはっきりとした字で書くことが大切です。

現金を裸で渡すこと

現金をそのまま渡すのは避けましょう。

少額でも、封筒やのし袋に入れて表書きと名前を書くのが丁寧です。

急な訪問で袋がない場合でも、無地封筒を用意してから渡すほうが落ち着いた印象になります。

避けたいもの 理由 代わりの選択
読経料 料金のように見える 御布施
お経代 直接的すぎる 御布施
派手な袋 お寺には軽く見える場合 白無地封筒
薄墨 弔事の印象が強い 濃墨
黒白袋の年始挨拶 正月には重い場合 紅白または白無地
裸の現金 丁寧さに欠ける 封筒に入れる

迷ったときの決め方

お寺年始のし袋で迷ったときは、難しい作法から入るより、目的を整理するほうが早く決まります。

次の順番で考えると、選びやすくなります。

読経の有無

まず、読経やお勤めがあるかを確認します。

読経があるなら「御布施」です。

読経がないなら、年始挨拶として「御年賀」、またはお供えとして「御供」を考えます。

この分け方だけでも、多くの迷いは解消できます。

現金か品物か

現金なら「御年賀」「御供」「御布施」の中から目的で選びます。

品物なら「御年賀」または「御供」が使いやすいです。

菓子折りなら「御年賀」、仏さまへのお供えの気持ちなら「御供」と考えると自然です。

慶事か仏事か

年始の挨拶としての意味が強いなら、紅白ののし袋も候補になります。

読経や仏事の意味が強いなら、白無地封筒が無難です。

迷った場合は、白無地封筒を選べば、派手すぎず落ち着いた印象になります。

お寺へ確認する言い方

どうしても分からない場合は、お寺へ確認しても問題ありません。

「年始のご挨拶でお持ちする場合、どのようにお包みすればよろしいでしょうか」と聞くと丁寧です。

金額も合わせて聞きたい場合は、「皆さまどのくらいでお納めされていますか」と尋ねると柔らかい印象になります。

お寺年始のし袋に関するよくある疑問

お寺年始のし袋は、家や地域の習慣が関わるため、細かな疑問が出やすいものです。

ここでは、特に迷いやすい点を整理します。

お寺年始のし袋は紅白でよいか

年始の挨拶として「御年賀」を渡す場合は、紅白蝶結びののし袋を使う地域やお寺があります。

ただし、お寺へ現金を渡す場面で紅白に迷う場合は、白無地封筒でも問題ありません。

地域や家の慣習が分かるなら、それに合わせるのが安心です。

表書きは御年賀と御布施のどちらか

年始の挨拶だけなら「御年賀」が自然です。

読経やお勤めがある場合は「御布施」が基本です。

ご本尊やご先祖へのお供えの意味なら「御供」も使いやすいです。

白無地封筒でも失礼ではないか

失礼ではありません。

むしろ迷ったときには白無地封筒が使いやすいです。

「御布施」「御供」「御礼」などを書けば、落ち着いた印象になります。

郵便番号欄のない無地の封筒を選ぶとより丁寧です。

黒白の香典袋を使ってよいか

年始の挨拶だけなら避けたほうが無難です。

黒白の袋は葬儀や法事の印象が強いため、正月の挨拶には重く見えることがあります。

ただし、正月時期に法事を行う場合は、通常の法要として考えます。

御供と御年賀の違い

「御年賀」は新年の挨拶として渡すものです。

「御供」はご本尊やご先祖へのお供えとして渡すものです。

住職への年始挨拶なら「御年賀」、仏さまへ納める気持ちなら「御供」と考えると分かりやすくなります。

名前は名字だけでよいか

家単位で納めるなら「〇〇家」で問題ありません。

個人で渡す場合はフルネームが分かりやすいです。

表に家名だけを書く場合は、裏面や中袋に代表者の氏名と住所を書いておくと丁寧です。

金額は書いたほうがよいか

現金を包む場合は、金額を書いておくとお寺側が管理しやすくなります。

中袋がある場合は中袋へ、中袋がない場合は封筒の裏面へ書きます。

少額の年始挨拶では省略されることもありますが、書いておくほうが親切です。

筆ペンは濃墨か薄墨か

濃墨を使います。

薄墨は葬儀などの弔事を連想させるため、年始の挨拶やお布施には向きません。

筆ペンを買うときは、濃墨タイプを選びましょう。

喪中のときはどう書くか

喪中の場合は、「御年賀」を避けて「御供」「御挨拶」「御布施」などにする家庭があります。

紅白ののし袋を避けたい場合は、白無地封筒が使いやすいです。

不安がある場合は、お寺へ確認すると安心です。

まとめ

お寺年始のし袋は、渡す目的によって選び方が変わります。

年始の挨拶として渡すなら「御年賀」、ご本尊やご先祖へのお供えなら「御供」、読経やお勤めがあるなら「御布施」、住職への謝意なら「御礼」が候補になります。

のし袋は、御年賀なら紅白蝶結びを使う地域もありますが、迷った場合は白無地封筒が無難です。

御布施や御供として現金を包む場合も、白無地封筒なら落ち着いた印象になります。

表書きは濃い墨で書き、下段には氏名または家名を書きます。

読経料やお経代という表書きは避けましょう。

中袋や裏面には、必要に応じて住所、氏名、金額を書いておくと、お寺側が管理しやすくなります。

お寺への年始の挨拶は、全国共通の一つの形があるというより、宗派、地域、お寺、家の慣習によって違いがあります。

前年の包み方や親族の例が分かるなら、それに合わせるのが最も自然です。

どうしても迷う場合は、「年始のご挨拶でお持ちする場合、どのようにお包みすればよろしいでしょうか」とお寺へ確認すると安心です。

形式に迷いすぎるより、日頃の感謝と新年の挨拶を丁寧に伝えることが一番大切です。